今回は、最近読んだ『ハートレス・ケア』という本について書いて行こうと思います!

心温まるお話!
この本は、老人ホームが舞台のお話です。
就職活動に失敗し、たった1つだけ受かった就職先が老人ホーム。
辞めたくて辞めたくて仕方がないが、すぐに辞めると根気の無い奴だと思われ再就職活動をしても採用されないと思い、半年は辛抱しようといやいやながら働いている主人公の青年 大石。
同期の美南は、大学時に介護の仕事に興味を持ち、向上心を持って仕事としている。
それなのに大石は、自分が後ろ向きかつ打算的な理由で仕事をしていることに罪悪感を覚える。
そんな、大石が職場の人や入居者の方とのやり取りの中で葛藤しながら成長していく物語です。
物語の中に引き込まれて、気が付くとあっという間に読み終わっていました。
介護の本なので、重い感じがするのかと思いながら読んでいたのですが、想定とは逆に読み終わったあとには、とても心がホッコリしていました。
もっと、内容について感想を書きたいのですが、あまり書きすぎるとネタバレになってしまうのでやめておこうと思います。
読み終わったあとに、とても前向きに、ポジティブになれる本だと思います。
ちなみに、読書好きの長女もあっという間に読み切っていました。
「私、こういう心がホッコリする作品好き~!!」と言ってました。
介護施設のリアルな表現
作者が元介護士ということもあり、とても介護施設での出来事がとてもリアルに表現されていました。
本を読み進めて頭に思い浮かんだのは、祖母がお世話になっていた介護施設のことです。
「面会に行ったとき、談話室にいた祖母もこうやって車椅子に移動して連れて行ってもらってたのか」とか「レクの話を楽しそうにしていたけど、楽しめることを介護士さんがいろいろと考えてくださってたんだ」など、目をつむるとその情景が思い出されました。
入浴の場面などでは、介護士さんは湯気が上がった浴室で汗をびっしょりとかきながら入浴介助をしてくださったおかげで、祖母がお風呂に入れたことなど、老人ホームでの1日がどのような流れだったのかが手に取るように分かりました。
もともと、介護施設で祖母が大変お世話になっていたこともあり、介護職の方には感謝の気持ちでいっぱいでした。
しかし、この本を読んでその思いがますます強くなりました。
たまに会いに行くときに見る祖母の笑顔の裏には、こんなにもたくさんの介護施設の方の仕事のおかげだったんだと改めて気が付かせてくれました。
大切なことに改めて気が付かされ、この本に出合えて良かったと思える1冊でした。